漢方のはなし
新年の縁起物【お屠蘇】
もう年が暮れようとしております。年末になると今年の後片付けや、新しい年への準備に取り掛かると思いますが、新年の縁起物の一つに、お正月に飲まれる 『お屠蘇』があります。屠蘇は中国の三国時代の名医である華陀先生が考案したものです。日本に伝わってきたのが平安時代だそうです。
お屠蘇は本来は、風邪などの流行病から体を守る目的で考案された薬酒だと言われております。その当時のお屠蘇と現在のお屠蘇では若干内容に違いはあるよ うです。内容に違いがあると言いましても、大黄(ダイオウ;主に下剤として用いられています)と烏頭(ウズ;主に体を温めるために用いられます)の2種類 が除かれただけで、あとは殆ど同じ内容です。
風邪などは、よく患うものなので現在では慣れられている方も多いと思いますが、昔から『風邪は万病のもと』と言われてきたように、風邪を馬鹿には出来ません。重くなると体に様々な影響を与えてしまいます。
お屠蘇の飲み方は、お酒とミリンで簡単に作れる薬酒です。ミリンは好みによって入れる量を調節するとおいしく頂くことも出来ます。今年の冬は寒くなると言われておりますので、風邪予防や縁起物として1年に1度のこの機会に試されてみてはいかがでしょうか?